
親が認知症になる前にしておきたいお金の準備
「最近、お母さん、同じ話を何回もするようになった気がする」
「通帳の場所がわからないって言っていたけど、大丈夫かな」
「まだ元気そうだけど、少しずつ心配になってきた…」
50代になると、自分の老後のことだけではなく、親のことが急に現実味を帯びてきます。
ついこの前まで、自分が頼る側だったはずなのに、いつの間にか「親を支える側」になっていることに気づいて、戸惑う方も少なくありません。
特に、お金のことは気になっていても、なかなか話しづらいものです。
「親のお金の話なんて失礼かもしれない」
「まだ元気なのに、そんな話をするのは縁起でもない気がする」
「きょうだいにどう思われるかな…」
そう思って、つい後回しになってしまうこともあるでしょう。
でも実際には、“そのうち話そう”と思っているうちに、話せなくなってしまうケースがあります。
親の認知症です。
認知症というと、介護のことを思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんそれも大きな問題です。
でも、実際に多くのご家庭で困るのは、お金のことが思うように動かせなくなることです。
今回は、「まだ大丈夫」と思っている今だからこそ考えておきたい、親のお金の準備についてお話しします。
ある日突然、“家族なのに何もできない”ことがある
例えば、親が入院してまとまったお金が必要になったとします。
「親の口座から出せばいいよね」
そう思いますよね。私も多くの方からそう聞かれます。
でも、現実はそんなにシンプルではありません。
もし金融機関が「本人の判断能力が低下している」と判断した場合、預金の取引が制限されることがあります。
これは財産を守るための仕組みですが、家族からするととても困る場面です。
介護施設の入居費用を払いたい。
入院費が必要。
介護サービスの支払いがある。
そんなときでも、思うようにお金が動かせないことがあります。
ここで驚かれる方が多いのですが、親子だからといって自由にできるわけではありません。
親のお金は親のもの。たとえ娘であっても、勝手に管理できるものではないのです。
「うちはまだ大丈夫」が一番危ない
こういう話をすると、「でも、うちの親はまだしっかりしているから」とおっしゃる方もいます。
もちろん、本当にそうかもしれません。
ただ、認知症はある日突然“今日から”始まるものではありません。
少しずつ進んでいくことが多いからこそ、家族が気づきにくいのです。
たとえば、
同じ買い物を何度もしてしまう。
公共料金の支払いを忘れる。
通帳や印鑑の場所がわからなくなる。
知らない契約をしてしまう。
最初は「年齢のせいかな」で済ませてしまうような変化でも、それがお金のトラブルにつながることがあります。
そして、判断能力がしっかりしているうちにしかできない準備があるのです。
どこに何があるのか、家族は知っていますか?
いざというときに一番多いのが、
「どこに何があるかわからない」
というケースです。
親世代は、昔からのお付き合いでいくつもの銀行口座を持っていることがあります。
定期預金、生命保険、証券口座、昔入った個人年金…。
ご本人は把握していても、家族はまったく知らないということも珍しくありません。
実家以外に土地を持っていた、というケースもあります。
いざ整理しようと思ったときに、「そんなものがあったの?」となるのです。
これは相続のときにも大きな問題になりますが、その前の介護の段階でも困ります。
親のお金があるのに使えない。どこにあるかわからない。
そんな状態は、家族の負担を必要以上に大きくしてしまいます。
お金の話は“元気な今”だからできる
「親にどう切り出せばいいかわからない」
これは本当によく聞きます。
でも、お金の話をする目的は、“取り上げること”ではありません。
親の希望を守るためです。
どこで暮らしたいのか。
介護が必要になったらどうしたいのか。
お金はどんなふうに使いたいのか。
本人の気持ちを聞けるのは、元気な今だからこそです。
むしろ、判断能力が低下してからでは、本人の希望を確認すること自体が難しくなってしまいます。
「もしもの話なんてしたくない」
そう思う気持ちも自然です。
でも、“話しておけばよかった”という後悔は、本当に多いのです。
制度はある。でも万能ではありません
もちろん、困ったときのための制度はあります。
成年後見制度や任意後見制度、最近では家族信託という言葉を耳にすることも増えました。
ただ、制度があるから安心、というほど簡単なものでもありません。
成年後見制度は本人を守る仕組みとして大切ですが、柔軟にお金を動かしにくい場面もあります。
家族信託も有効な選択肢になることがありますが、ご家庭によって向き不向きがあります。
大切なのは、「何のために準備するのか」を整理することです。
財産を守りたいのか。
介護費用をスムーズに使えるようにしたいのか。
相続で揉めないようにしたいのか。
目的によって、選ぶ方法は変わります。
これは“親の問題”ではなく、“自分の問題”かもしれません
この記事を読んでいて、
「ちょっと気になるけど、まだ先かな」
と思った方もいるかもしれません。
でも、親の認知症の問題は、親だけの問題ではありません。
50代女性にとっては、
親の介護、親のお金、自分の老後。
これが同時にやってくることがあります。
だからこそ、“そのときになってから”ではなく、“今だからできること”を少しずつ考えておくことが、自分自身を守ることにもつながります。
まとめ
親のお金の話は、簡単なテーマではありません。
でも、難しいからと後回しにしてしまうと、本当に困るのは“いざというときの自分”かもしれません。
まだ元気だからこそ話せることがあります。
まだ判断できるからこそ決められることがあります。
「うちは何から話せばいいんだろう」
「制度がいろいろあってよくわからない」
そんなときは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
FPラポールでは、親の介護やお金の準備、自分自身の老後も含めて、今の状況に合わせて一緒に整理するお手伝いをしています。
“まだ先の話”ではなく、“今の自分の話かもしれない”。
そう感じた方は、一度立ち止まって考えてみませんか。
この記事を書いたのは「FPラポール株式会社」
筆者「FPラポール株式会社」について
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お金の事が心配…
多くの方が抱える不安のひとつに
「お金」の事があると思います。当社では3つの方向から、
考えるべきだと思っています。「収入・運用・計画」
これら全てを見直し、
ここをキッカケとし、
お金と真剣に向き合いましょう。

