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新NISAを始めた50代女性が次に考えるべき取り崩し戦略

新NISAを始めて、毎月の積立も続けている。

最初は値動きが気になっていたものの、最近は積立をすることにも慣れてきた。

しかし、そのお金をいつ、どのように使えばよいのかは考えていない。

50代女性から、このようなお話を伺うことがあります。

NISAを始めるときには、口座の開設方法や投資信託の選び方、毎月の積立額について調べる方が多いでしょう。

一方で、積み立てた資産をどのように使うのかについては、まだ先の話だと思い、後回しになりがちです。

しかし、50代からの資産形成では、積み立てることと同じくらい、使い方を考えることが大切です。

投資は、始めるときよりも終わり方のほうが難しいと感じることがあります。

値上がりしていると、まだ増えるかもしれないと思い、売却できません。
値下がりしていると、損をしたくないため、価格が戻るまで待ちたくなります。

その結果、使うために始めたはずの資産を、いつまでも使えないこともあります。

今回は、新NISAで積立を始めた50代女性が、次に考えておきたい取り崩し戦略について整理します。

NISAを始めることがゴールになっていませんか

NISAは、株式や投資信託などから得た売却益や配当などが非課税になる制度です。

2024年からのNISAでは非課税保有期間が無期限となり、制度自体も恒久化されました。
そのため、以前のNISAのように、非課税期間の終了を理由に急いで売却する必要はありません。

長く保有できるようになったことは、資産形成を続けるうえで大きな利点です。

とはいえ、保有できる期間が無期限になったことと、一生売却しなくてよいことは同じではありません。

NISAで運用しているお金にも、本来は目的があるはずです。

退職後の生活費に使う。
年金を受け取るまでの生活を支える。
自宅の修繕や住み替えに使う。
旅行や趣味の費用にする。
将来の医療や介護に備える。

目的が決まっていなければ、いつ売却すればよいのかも決まりません。

資産を増やすことだけが目的になると、残高が増えても安心できないことがあります。

まだ足りないのではないか。売却すると資産が減ってしまう。
もっと運用を続けたほうがよいのではないか。

そのように考え続け、使う時期を逃してしまうかもしれません。

NISAを始めた後に考えたいのは、いくらまで増やすかだけではありません。

何のために、いつから、どのように使うのかまで考えることが必要です。

投資は終わり方が難しい

積立を始めるときには、毎月決まった金額を自動的に購入する設定ができます。

一度設定すれば、自分で毎月判断しなくても積立を続けられます。

しかし、取り崩すときには、自分で判断する場面が増えます。

今売却してよいのか。
もう少し待ったほうがよいのか。
一度に売却するのか。少しずつ売却するのか。

相場が上昇しているときには、今売るのはもったいないと感じます。

反対に相場が下落しているときには、今売ると損をすると考えます。

どちらの場面でも、売却を先延ばしにする理由が生まれます。

もちろん、将来の価格を正確に予測することはできません。

価格がさらに上がる可能性もあれば、売却しないまま大きく下がる可能性もあります。

そのため、相場だけを見て売却時期を決めようとすると、判断が難しくなります。

取り崩しを考えるときには、価格が上がったか、下がったかだけではなく、自分の生活にいつお金が必要になるのかを基準にします。

最初に確認したいのは、何のためのお金か

取り崩し戦略を考える前に、現在積み立てているお金の目的を確認します。

老後資金として積み立てている方も多いでしょう。

しかし、老後資金という言葉だけでは、使い方を決めることはできません。

老後の何に使うのかを、もう少し具体的に考える必要があります。

例えば、次のような目的があります。

・退職から年金受給開始までの生活費
・年金だけでは不足する毎月の生活費
・自宅の修繕やリフォーム費用
・住宅ローンの完済資金
・旅行や趣味を楽しむためのお金
・医療費や介護費用への備え
・子どもや孫への援助
・夫婦のどちらかが一人になった後の生活費

同じ老後資金でも、使う時期は異なります。

60歳で使うお金と、80歳以降に使うお金では、運用できる期間が違います。

数年以内に使う予定のお金まで値動きの大きい資産で保有していると、必要になったときに価格が下がっているかもしれません。

一方、20年以上使わない予定のお金をすべて預貯金へ移すと、長く運用できる機会を失うこともあります。

まずは、資産をいつ使うのかによって分けて考えます。

取り崩し戦略で考えたい三つの方法

NISAの資産を取り崩す方法には、主に三つの考え方があります。

どれか一つがすべての人に適しているわけではありません。

生活費や年金、資産額、使う目的に合わせて選びます。

1.必要なときに必要な金額を売却する

一つ目は、大きな支出が発生したときに、必要な金額を売却する方法です。

例えば、自宅のリフォームに300万円必要になったときに、NISAの資産から300万円分を売却します。

使う目的がはっきりしているため、分かりやすい方法です。

しかし、支出が必要になった時期に、相場が下落している可能性があります。

300万円を準備するために、値下がりした資産を多く売却しなければならないことも考えられます。

そのため、数年以内に予定している大きな支出については、直前まで全額を投資したままにしないことが大切です。

使う時期が近づいたら、数回に分けて売却し、預貯金へ移しておく方法があります。

例えば、5年後に自宅をリフォームする予定であれば、5年後に一度に売却するのではなく、数年前から少しずつ現金化します。

支出時期が決まっているお金は、増やすことよりも、予定どおり使える状態にしておくことが重要です。

2.毎月または毎年、一定額を取り崩す

二つ目は、毎月5万円、毎年60万円など、決めた金額を定期的に取り崩す方法です。

年金だけでは毎月の生活費が不足する場合に、その不足額をNISAの資産から補う方法として考えられます。

例えば、毎月の生活費が25万円で、年金の手取りが20万円であれば、毎月5万円が不足します。

この不足分を、預貯金やNISAの資産から補います。

定額で取り崩す方法は、毎月使える金額が分かりやすく、生活設計を立てやすいという利点があります。

一方で、相場が大きく下落しているときにも同じ金額を取り崩すと、通常より多くの口数を売却することになります。

下落時に多く売却すると、その後に価格が回復したとき、運用を続けられる資産が少なくなります。

このような状況を避けるため、生活費の一部を預貯金で準備しておく方法があります。

相場が下落している間は預貯金から生活費を補い、価格が回復したときにNISAの資産を売却して預貯金を補充します。

とはいえ、いつ価格が回復するかは分かりません。

現金をどの程度持つのか、運用資産からどの程度取り崩すのかを事前に考えておく必要があります。

3.資産残高に応じて割合で取り崩す

三つ目は、毎年、資産残高の一定割合を取り崩す方法です。

例えば、年初の資産残高の3%を、その年に使うという考え方です。

資産が増えた年には取り崩せる金額が増え、資産が減った年には取り崩す金額も減ります。

資産の減少に合わせて使う金額を調整するため、定額で取り崩す方法よりも、資産が早く減るリスクを抑えやすくなります。

一方で、取り崩せる金額が毎年変わります。

生活費の不足分を一定額補いたい方には、使いにくい場合があります。

毎年の旅行や趣味など、金額を調整しやすい支出には利用しやすいでしょう。

反対に、家賃や食費など、減らしにくい生活費を補う場合には、定額で取り崩す方法と組み合わせる必要があります。

一度に全部売却する必要はない

退職したら、NISAの資産をすべて売却して預貯金にしたほうがよいのでしょうか。

このように聞かれることがあります。

退職を迎えたからといって、すべての資産を一度に売却する必要はありません。

退職後も、すぐに全額を使うわけではないためです。

例えば、60歳で退職したとしても、80歳以降に使う予定のお金であれば、20年以上先まで使わない可能性があります。

その間も、一部を運用しながら使っていくことが考えられます。

一方で、退職後すぐに使う生活費まで投資したままにすることには注意が必要です。

退職直後に相場が大きく下落すると、生活費を準備するために、値下がりした資産を売却しなければなりません。

大切なのは、すべて運用する、すべて現金化するという二択にしないことです。

近いうちに使うお金は預貯金で持つ。しばらく使わないお金は運用を続ける。

使う時期によって、資産の置き場所を分けます。

年金とNISAをどのように組み合わせるか

取り崩し戦略を考えるときには、NISAだけを見るのではなく、年金と組み合わせて考える必要があります。

まず、自分と配偶者が受け取れる年金の見込み額を確認します。

そのうえで、退職後の生活費と比べます。

年金だけで生活費をまかなえるのであれば、NISAの資産は旅行、自宅の修繕、医療や介護などに使うことができます。

年金だけでは毎月不足する場合には、不足額をどの資産から補うのかを考えます。

例えば、65歳以降、毎月5万円不足するのであれば、年間では60万円です。

この不足が20年間続けば、単純に考えると1,200万円が必要になります。

実際には物価や運用状況、生活費の変化もあるため、計算どおりになるとは限りません。

しかし、毎月いくら不足するのかが分かれば、NISAからどの程度取り崩す必要があるのかを考えやすくなります。

また、年金を繰り下げる場合には、年金を受け取るまでの生活費を別に準備する必要があります。

例えば、65歳から70歳まで年金を繰り下げるのであれば、その5年間を給与、退職金、預貯金、NISAの資産などでどのように支えるのかを考えます。

年金を増やすことだけに注目すると、受給開始までの資産の減り方を見落とすことがあります。

年金の受取時期とNISAの取り崩しは、別々に考えるのではなく、一つの生活設計として確認します。

夫婦二人の期間と、一人になった後を分けて考える

50代から老後のお金を考えるときには、夫婦二人で生活している期間だけではなく、どちらか一人になった後も考えておく必要があります。

夫婦二人の年金収入がある間は、生活に余裕があるかもしれません。

しかし、どちらかが亡くなると、世帯で受け取る年金額は変わります。

生活費は二人分から一人分になりますが、住居費や光熱費、通信費などが半分になるわけではありません。

そのため、一人になった後のほうが、年金だけでは生活費が不足することもあります。

NISAの資産を夫婦二人の旅行や趣味に使い切ってよいのか。

一人になった後の住まいや生活費のために、どの程度残しておきたいのか。

この点も、取り崩し戦略に含めて考えます。

資産を使うことは大切です。

しかし、使わずに残すことと、何も考えずに使い切ることの間には、さまざまな選択肢があります。

夫婦で楽しむためのお金、一人になった後に備えるお金、医療や介護に備えるお金など、役割を分けておくと使いやすくなります。

売却するとNISAの枠はどうなる?

現在のNISAでは、NISA口座内の商品を売却すると、売却した商品の取得価額に相当する非課税保有限度額を、翌年以降に再利用できます。

例えば、100万円で購入した商品が150万円に値上がりし、その商品を売却した場合、翌年以降に再利用できるのは、売却額の150万円ではなく取得価額の100万円分です。

また、売却した年の年間投資枠が、その年のうちに戻るわけではありません。

この仕組みを知っていると、売却したら二度とNISAを使えなくなると思い、必要なお金まで売却できないという不安は減るでしょう。

とはいえ、枠を再利用できるからといって、短期間で売買を繰り返す必要はありません。

NISAは、長期的な資産形成を支えるための制度です。
金融庁も、成長投資枠を使った合理性のない短期的な乗り換え勧誘について、安定的な資産形成につながらないものとして監督上の留意点に挙げています。

売却するかどうかは、枠を空けるためではなく、自分の生活に必要かどうかで考えます。

取り崩す直前に考え始めない

取り崩し戦略は、退職してから考えればよいと思うかもしれません。

しかし、実際にお金が必要になる直前では、選択肢が限られます。

相場が下がっていても、生活費が必要であれば売却しなければなりません。

反対に、数年前から準備していれば、価格が比較的安定している時期に少しずつ現金へ移すことができます。

例えば、5年以内に使う予定のお金は、段階的に預貯金へ移す方法があります。

10年以上使わない予定のお金は、運用を続けることもできます。

このように、使う時期に合わせて資産を分けておくと、相場の動きだけに左右されにくくなります。

取り崩しは、売却する日の判断だけではありません。

売却しなくても生活できる預貯金をどの程度持つのか。
どの資産から先に使うのか。
運用を続ける資産をどの程度残すのか。

これらを含めて考える必要があります。

今からできる取り崩しの準備

新NISAで積立を続けている方は、次の項目を確認してみてください。

□ NISAで積み立てている目的を説明できる
□ 何歳ごろから使う予定か考えている
□ 退職予定の年齢を考えている
□ 自分と配偶者の年金見込み額を確認している
□ 退職から年金受給までの生活費を計算している
□ 年金生活になった後の毎月の不足額を確認している
□ 数年以内に使う予定のお金を投資資産と分けている
□ 大きな支出の予定を確認している
□ 一度に売却するか、少しずつ取り崩すか考えている
□ 相場が下落したときに使える預貯金を確保している
□ 夫婦のどちらかが一人になった後の生活も考えている
□ 何歳までに使い切りたいか、どの程度残したいか考えている

すべてを今すぐ決める必要はありません。

退職時期や生活の希望は、これから変わる可能性もあります。

しかし、目的や使い始める時期を大まかに決めておくだけでも、積立額や運用方法が自分に合っているかを確認できます。

増えた資産を使うことに抵抗がある

取り崩しについて相談していると、お金が減るのを見るのが怖いと話す方がいます。

積立をしている間は、残高が増えることが安心につながります。

一方、取り崩しを始めると、資産残高は少しずつ減っていきます。

これまで増やすことを目標にしてきた方にとって、資産が減ることを受け入れるのは簡単ではありません。

旅行へ行きたいと思っても、もう少し運用を続けたほうがよいのではないかと迷います。

自宅を直したほうがよいと分かっていても、資産残高が減るため決断できません。

その結果、老後のために準備したお金をほとんど使わないまま残すこともあります。

しかし、資産形成の目的は、口座の残高を増やし続けることではありません。

自分が望む暮らしを実現するために、お金を使える状態をつくることです。

使っても大丈夫な金額が分からないから、使うことが怖くなります。

反対に、生活費、医療や介護への備え、一人になった後のお金を確認したうえで、使える金額を分けておけば、安心して使いやすくなります。

資産を使い切ることだけが正解ではない

取り崩し戦略というと、亡くなるまでに資産をすべて使い切る方法だと思うかもしれません。

しかし、必ずしも使い切ることが正解ではありません。

子どもに一定の資産を残したい方もいます。
将来の介護費用を多めに準備したい方もいます。
何歳になっても、ある程度の預貯金がないと不安な方もいます。

反対に、子どもへ多く残すよりも、元気なうちに旅行や趣味に使いたい方もいるでしょう。

大切なのは、世間の基準に合わせることではありません。

自分は何に使いたいのか。どの程度残しておきたいのか。
残すとすれば、誰のために残すのか。

自分の考えを確認します。

資産を使う順番も、すべての人が同じではありません。

預貯金から先に使う方法もあれば、NISAの資産を一部売却しながら、預貯金と組み合わせて使う方法もあります。

税金、運用状況、生活費、相続の希望などによって選択は変わります。

NISAは始めた後のほうが長い

NISAを始めたときには、口座を開設し、商品を選び、積立設定をするところまでが大きな目標になります。

しかし、積立を始めた後の期間のほうが長く続きます。

積立額を変更することもあります。
退職が近づけば、運用する金額を見直すこともあります。
使う時期が近づけば、一部を現金へ移す必要も出てきます。

生活が変われば、当初の計画も変わります。

NISAを始めたから、後はそのままでよいわけではありません。

年に一度程度は、資産残高だけでなく、目的や使う時期も確認してみてください。

退職時期は変わっていないか。
年金の見込み額は確認できているか。
住まいに大きな支出が必要になりそうか。
親の介護や自分の健康状態に変化はないか。

積立を続けることが負担になっているのであれば、金額を減らしても構いません。

反対に、生活費や預貯金に余裕ができたのであれば、積立額を見直すこともできます。

資産形成は、一度決めた計画を守り続けることではありません。

今の生活とこれからの予定に合わせて、調整していくものです。

積み立てるだけでは、老後のお金は完成しない

新NISAを始めたことは、これからの資産形成を考える大切な一歩です。

しかし、積立を続けるだけでは、老後のお金の準備が終わったとはいえません。

いつから使うのか。
毎月いくら使うのか。
大きな支出に使うのか。
年金の不足分に使うのか。

その使い方まで考えて、初めて自分の生活につながります。

投資の利益を最大にする売却時期を見つけることはできません。

しかし、生活に必要になる時期を確認し、早めに準備することはできます。

相場が下がったときに慌てて売却しなくてもよいように、預貯金を確保する。

数年以内に使うお金は、少しずつ現金へ移す。

年金で不足する金額を確認し、毎月または毎年どの程度取り崩すのかを考える。

夫婦二人の生活だけではなく、一人になった後の生活も確認する。

このように整理すると、NISAの資産を増やすことだけではなく、安心して使うことも考えられるようになります。

積み立てた資産は、使ってはいけないお金ではありません。

これからの暮らしのために準備してきたお金です。

何となく積立を続けるのではなく、自分は何のために、いつから使いたいのかを一度考えてみてください。

資産の使い方を考えるときには、NISA口座の残高だけではなく、預貯金、退職金、年金、生活費、住まい、医療や介護への備えを合わせて確認する必要があります。

NISAで積み立てた資産をいつから、どのように使えばよいか迷っている方には、年金や退職後の生活費を含めて、資産の取り崩し方を一緒に整理しています。

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お金の事が心配…

多くの方が抱える不安のひとつに
「お金」の事があると思います。

当社では3つの方向から、
考えるべきだと思っています。

「収入・運用・計画」

これら全てを見直し、
ここをキッカケとし、
お金と真剣に向き合いましょう。

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