
投資は怖い…という50代女性が最初に知っておきたい3つのこと
投資をしたほうがよいことは、何となく分かっている。
友人はNISAを始めたと話している。テレビやインターネットでも、預貯金だけではお金が増えない、老後に向けて資産運用が必要だといわれている。
それでも、自分のお金が減ることを考えると怖くて始められない。
50代女性から、このようなお話を伺うことがあります。
投資に興味がないわけではありません。
むしろ、老後のお金が気になっているからこそ、投資について調べています。
しかし、調べれば調べるほど、株価の下落や元本割れといった言葉が目に入り、損をするくらいなら何もしないほうがよいのではないかと考えてしまいます。
投資が怖いと感じることは、決しておかしなことではありません。
自分や家族のために貯めてきた大切なお金です。
減らしたくないと思うのは自然なことです。
そのため、怖さを無視して投資を始める必要はありません。
まずは、なぜ怖いと感じるのかを確認します。
そのうえで、自分は投資をするのか、どのくらいなら始められるのかを考えてみましょう。
投資が怖いのは、損をする可能性があるから
預貯金であれば、基本的には通帳に記載された残高が毎日大きく変わることはありません。
一方、投資信託や株式などは、購入した後に価格が上がることもあれば、下がることもあります。
100万円を投資して、しばらくして残高を確認したら90万円になっていた。
このような状況を想像すると、怖いと感じる方も多いでしょう。
特に50代になると、若い頃とはお金に対する感覚が変わります。
老後までの期間が短くなり、今から損失を取り戻せるのだろうかと不安になります。
子どもの教育費が終わっても、住宅ローンや親の介護、自宅の修繕などにお金がかかる場合もあります。
これまで時間をかけて貯めてきたお金だからこそ、減らしたくないという気持ちも強くなります。
また、投資をした経験がなければ、価格が下がったときにどのような気持ちになるのか分かりません。
実際に値下がりしたとき、怖くなってすぐに売ってしまうかもしれない。
下がっている間、毎日気になって落ち着かないかもしれない。
このような不安もあるでしょう。
投資が怖いと感じる背景には、損失への不安だけではなく、分からないものにお金を出す怖さがあります。
その怖さを、投資に向いていないからだと決めつける必要はありません。
分からない部分を一つずつ整理すると、自分が何を不安に感じているのかが見えてきます。
50代女性が最初に知っておきたい3つのこと
投資を始める前に、商品や制度を調べる方は多いでしょう。
どの投資信託がよいのか。
NISAでは何を買えばよいのか。
毎月いくら積み立てればよいのか。
もちろん、商品選びも必要です。
しかし、その前に考えておきたいことがあります。
50代からの資産形成では、次の三つを確認することが大切です。
1.投資をすれば、必ずお金が増えるわけではない
投資を始める前に知っておきたいのは、投資には元本割れの可能性があるということです。
長期間積み立てれば必ず利益が出る、分散投資をすれば損をしないというわけではありません。
投資には、価格が上がる可能性と下がる可能性の両方があります。
この点を曖昧にしたまま、預貯金より増えそうだからという理由だけで始めると、値下がりしたときに大きな不安を感じることになります。
投資を始めるなら、残高が一時的に減ることがあると理解しておく必要があります。
例えば、100万円を投資した後に、評価額が80万円や70万円になる可能性もあります。
そのときに、生活に困ることはないか。
慌てて売却しなくても済むか。
残高が減った状態を見ても、持ち続けられるか。
ここまで考えてから投資額を決めることが大切です。
投資が怖い方に、損を恐れてはいけないと伝えるつもりはありません。
損を怖いと感じるからこそ、損失が出ても生活に影響しない金額にしておく必要があります。
投資で大きく増やすことより、値下がりしても生活を守れることのほうが大切です。
2.積立投資でも、怖さがなくなるわけではない
投資初心者には、積立投資が向いていると聞いたことがあるかもしれません。
積立投資とは、毎月一定額など、決めた金額を定期的に投資していく方法です。
一度にまとまった金額を投資するのではなく、購入する時期を分けるため、高いときだけにまとめて買ってしまうことを避けやすくなります。
また、投資するタイミングを毎回自分で判断しなくてもよいという利点もあります。
とはいえ、積立投資なら損をしないわけではありません。
積み立てている間に価格が下がれば、残高が投資した金額を下回ることもあります。
積立投資は、損失をなくす方法ではありません。
購入時期を分けながら、長い期間をかけて資産形成をする方法の一つです。
50代の場合、何年間運用できるのかを考える必要があります。
50代から始めても遅いわけではありません。
しかし、20代や30代と同じように、老後まで何十年も使わないお金ばかりではないでしょう。
60歳で退職する予定なのか。
65歳以降も働く予定なのか。
年金を何歳から受け取るのか。
住宅ローンや自宅の修繕費は残っているのか。
これらによって、投資に使える期間は変わります。
積立投資を始めること自体を目的にするのではなく、いつまで積み立て、いつから使うのかまで考えておくことが大切です。
3.投資に回してよいのは、当面使わないお金
50代から投資を始めるときに、最も大切なのは、投資する商品よりも投資に回す金額です。
預貯金があるからといって、そのすべてを投資に回してよいわけではありません。
まず、これから使う予定のあるお金を確認します。
毎月の生活費だけではありません。
- ・子どもの教育費や結婚資金
- ・住宅ローンの返済
- ・自宅のリフォームや修繕費
- ・車や家電の買い替え
- ・親の介護に備えるお金
- ・自分や配偶者の医療費
- ・退職後、年金を受け取るまでの生活費
数年以内に使う可能性があるお金は、投資ではなく預貯金で持っておくほうが安心です。
必要になったときに投資商品の価格が下がっていると、損失が出た状態で売却しなければならない可能性があるためです。
投資に回すのは、生活に必要なお金を確保したうえで、しばらく使う予定のないお金です。
この順番が逆になると、投資の値動きが毎日の生活に影響します。
残高が減るたびに、老後資金が足りなくなるのではないかと不安になる。
使う予定があるため、値下がりから回復するまで待てない。
そのような投資は、精神的な負担も大きくなります。
投資を始める前に、まずは預貯金の役割を分けておきましょう。
生活のためのお金。
近い将来に使うお金。
急な支出に備えるお金。
そして、当面使わずに運用できるお金です。
投資額は、預貯金残高だけを見て決めるのではありません。
これからの暮らしに必要なお金を確認してから決めます。
自分のリスク許容度を考える
投資を始めるときには、リスク許容度という言葉を目にすることがあります。
リスク許容度とは、投資による価格変動や損失を、どの程度まで受け入れられるかという考え方です。
収入、資産、年齢、家族構成、投資経験などによって、受け入れられる損失の大きさは異なります。
しかし、数字だけで決まるものではありません。
同じ収入や資産がある二人でも、投資への感じ方は違います。
100万円が一時的に80万円になっても気にならない人もいれば、98万円になっただけで不安になり、毎日残高を確認してしまう人もいます。
どちらが正しいということではありません。
大切なのは、自分がどのくらいの値下がりなら受け止められるのかを知ることです。
投資を始める前に、次のような状況を考えてみてください。
100万円を投資した後、80万円になったらどう感じるでしょうか。
そのまま持ち続けられるでしょうか。
それとも、これ以上減るのが怖くなり、売却したくなるでしょうか。
夜眠れないほど不安になるのであれば、その金額は自分にとって大きすぎる可能性があります。
投資額を少なくする、値動きの比較的小さい資産を組み合わせる、あるいは無理に投資をしないという選択肢もあります。
投資を続けるためには、利益を期待できる金額ではなく、不安になりすぎない金額を考えることも必要です。
友人と同じように始めなくてもよい
友人がNISAを始めた。
職場でも投資の話をする人が増えた。
自分だけ何もしていないと、取り残されているように感じることがあります。
しかし、友人と自分では、収入も預貯金も家族の状況も違います。
退職時期や年金額、これから必要になるお金も同じではありません。
友人が毎月5万円積み立てているからといって、自分も同じ金額を積み立てる必要はありません。
反対に、友人が投資で利益を出した話を聞いて、まとまった金額を一度に投資することも慎重に考えたいところです。
投資の話では、利益が出たときの話は共有されやすいものです。
一方で、値下がりしていることや、怖くなって売却したことは、あまり話さないかもしれません。
周囲の成功例だけを見て、自分も急いで始めなければならないと考えないことが大切です。
投資は、早く始めた人が偉いわけではありません。
自分のお金の状況を整理し、納得したうえで始めることのほうが重要です。
50代からでは遅い?
50代から投資を始めても遅いのではないかという相談もあります。
確かに、若い世代に比べると、老後までの時間は短くなっています。
しかし、50代だから投資ができないわけではありません。
現在50歳であれば、65歳まで15年あります。
その後も、老後資金を一度にすべて使うわけではありません。
70代、80代以降に使うお金であれば、さらに長い期間運用できる可能性もあります。
とはいえ、50代から不足している老後資金を投資だけで一気に増やそうとするのは注意が必要です。
目標金額に届かせるために、大きな金額を投資する。
短期間で高い利益を狙う。
値動きの大きな商品に集中する。
このような方法は、損失も大きくなる可能性があります。
老後資金が不足している場合には、投資だけで解決しようとしないことが大切です。
退職時期を延ばす。
働き方を変える。
年金の受取時期を検討する。
固定費を見直す。
住まいにかかる費用を確認する。
これらと投資を組み合わせて考えます。
資産形成は、投資だけを指すものではありません。
預貯金を増やすこと、収入を得る期間を延ばすこと、支出を整えることも、老後のお金を準備する方法です。
投資を始める前に確認したいこと
投資を始める前に、次の項目を確認してみましょう。
すべてに答えられなければ、投資を始めてはいけないということではありません。
分からない項目があれば、まずはそこを確認します。
投資商品を選ぶより先に、自分のお金の全体像を整理することが大切です。
少額から始める意味
投資を始めると決めても、最初から大きな金額を入れる必要はありません。
少額から始めることで、自分が価格の変動をどのように感じるのかを確認できます。
値下がりしても落ち着いていられるのか。
残高が気になって何度も確認してしまうのか。
積み立てを続けられそうか。
投資について本を読んだり説明を聞いたりするだけでは、自分が値動きをどう感じるかまでは分かりません。
実際に少額で経験してみると、自分に合った金額や投資方法が見えてくることがあります。
ただし、少額だから何も考えずに始めてよいということではありません。
何に投資しているのか。
どのようなときに価格が動くのか。
どのくらいの期間保有する予定なのか。
最低限の内容は理解しておきましょう。
また、少額から始めた後も、周囲に勧められるまま金額を増やすのではなく、自分の家計や気持ちを確認しながら調整します。
投資をしない選択もある
投資をしなければ老後に備えられないと思っている方もいます。
しかし、すべての人が同じように投資をする必要はありません。
十分な預貯金があり、年金収入で生活費をまかなえる見込みがある。
値動きのある商品を持つことが強いストレスになる。
近いうちにまとまったお金を使う予定がある。
このような場合には、無理に投資をしない選択もあります。
一方で、怖いからという理由だけで、投資について何も知らないまま避け続ける必要もありません。
仕組みを知り、自分の家計を整理したうえで、投資をしないと決めることと、分からないから何もしないことは異なります。
投資をするかどうかは、自分の生活を守るための選択です。
周囲と同じにする必要はありません。
怖いまま、急いで始めなくてもよい
投資が怖いと相談される方の中には、自分はお金の知識がないから駄目なのだと話す方がいます。
しかし、怖いと感じることは、慎重に考えているということでもあります。
大切なのは、その怖さを無視して始めることではありません。
なぜ怖いのか。
どのくらい減ることが怖いのか。
いつ使う予定のお金なのか。
一つずつ整理すると、投資できる金額が見えてくるかもしれません。
反対に、今は投資を始める時期ではないと分かることもあります。
投資を始めることが目的ではありません。
これからの生活に必要なお金を準備し、自分が安心して暮らせる状態をつくることが目的です。
友人が始めているからといって、焦る必要はありません。
まずは、自分と家族の生活費、預貯金、年金、退職時期、これから使う予定のお金を整理してみてください。
そのうえで、当面使わないお金がどのくらいあるのか、値下がりしても続けられる金額はいくらなのかを考えます。
自分に合った資産形成は、投資商品を選ぶところから始まるわけではありません。
これからどのように暮らしたいのか。
そのために、いつ、いくら必要なのかを確認するところから始まります。
投資をするか迷っている方には、現在の預貯金や年金、退職後の生活費を確認しながら、投資に回してよい金額や、自分に合った資産形成の方法を一緒に整理しています。
この記事を書いたのは「FPラポール株式会社」
筆者「FPラポール株式会社」について
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- 幸せになるためのお金の知識
- ファイナンシャルプランナー FPラポール株式会社
お金の事が心配…
多くの方が抱える不安のひとつに
「お金」の事があると思います。当社では3つの方向から、
考えるべきだと思っています。「収入・運用・計画」
これら全てを見直し、
ここをキッカケとし、
お金と真剣に向き合いましょう。

